エレンオルンのカレー屋開業顛末記&カレー漫画レビュー

漫画とカレー好きが高じてカレー漫画を読んでるうちにまとめたくなりました

カレー屋開業計画顛末記⑧メニュー開発その2 食べ歩き

 前回から、開業形態が決まり、メニューの創作を始めた。しばらくはレシピを決める為に試作を重ねていく事になる。

 

 それと並行して実店舗の探索、研究の一環として食べ歩きをしようと思う。今のトレンドも知りたいし、実際のオペレーションやメニュー、マーケティングも参考にしたい。食べログ100名店やカレー食べ歩きブログ、いくつかの都内カレーランキングを参考に197店舗候補をあげたので、少しずつこちらも尋ねてみようと思う。

 

 メニューは勿論、サイドメニュー、ドリンクのラインナップ、お酒の有無と種類、食器や皿、盛り付け、小物の選択、キャッチコピーやその店特有のヒキ、蘊蓄、差別化している事、メニュー表の記載や見せ方、料金など知りたいことは山ほどある。

 

 仮想だがライバルとなる八王子や立川のカレー屋を回ってみたが、印象に残るのはやはり端的に店の特徴を伝えている店だ。

 

例えば八王子の老舗、これく亭は、

「水を使わないミルクで煮込んだスイパシーだけど中年でも食べられるカレー」

 20種のスパイスを使い、水を使わずににミルクだけで煮込んだコクがあるけどあっさりとしてくどくない味。ビジュアル的にもターメリックライスのピラミッドと、サラダにはレタスソルトが風味を添える。ウッディな雰囲気のお店の居心地の良さといい、規模やメニュー数、価格帯的にも目指すべきお店の形だと思う。

 

同じく八王子の奥芝商店は、

「旬のものや地元食材を使った、本場札幌で大人気のスープカレー専門店」

 スープカレーはビジュアルが映えるが、素揚げと煮込みと使い分け、味の点でもビジュアルの点でもクオリティを高く仕上げている。メニュー写真の綺麗さやクオリティは随一。素揚げのブロッコリーのしゃくしゃくした歯応えはクセになるし、味も美味い。地元の野菜を使った事の周知もお店の地域に根ざしたメニューを出すというスタンスを明確にしている。スープも、ブレイクした元となった海老以外に鶏、薬膳と選択が可能で、同様にトッピング、辛さ、ご飯の量も選べるため、CoCo壱並みに客の選択肢がおおく、ニーズに対応できる。規模が大きいため、ちょっと準備とオペレーションが大変な為参考にはできないが、特徴を明確にしている点では参考になる。メニューの写真はここが一番。

 

立川の有名店レインボウスパイスは、

「行列ができる小麦粉不使用の本格カレー」

 こちらは店舗の規模自体は小規模ながら行列ができるという客数ゆえか、この系統の店にしては破格に安い。ランチのあいがけがドリンク付きで1000円しない。ちょっとこの点は真似できないが、健康志向ながら本格的なスパイスカレーを提供するというコンセプトと、コンパクトな店舗は大いに参考になる。

 

同じく立川のカレー会議室は、

「小麦粉、化学調味料は使わず、油・砂糖少なめの、新鮮な野菜を使ったヘルシースパイスカレー」

 目指す店舗の規模、メニュー数、コンセプトが近いのは「これく亭」、「レインボウスパイス」「カレー会議室」なのだが、「これく亭」は全年代に対応できるマイルドさがあり、「レインボウスパイス」は日本向けにマイルドにしつつ現地の本格的な味の輪郭をのこし、カレー会議室はおしゃれという点で特徴をだしている。

 単にヘルシーではなく、中央のご飯で二分したあいがけカレーのビジュアルに、12種から4つ選ぶことができる副菜の楽しさとオシャレ感、食べ口の軽さは他のカレー屋とは一線を画している。

 

 他にも、石焼カレーを売りにした八王子のベリーウェル、あえてカレー蕎麦専門で勝負しているカレー蕎麦大河、店舗名通りに燻製を売りにしている燻製とスープカレーの店けむり、味噌カレーのがじゅまるの杜など、特徴があれば説明もしやすいし、何より記憶に残る。反対に、個性は少ないが全体的にレベルが高く居心地がいいカフェのカレーなんかは美味しい印象はあるが記憶に残りにくい。

 

 レシピ開発にも直結するが、お店の特徴、ヒキを強調する事、キャッチコピーや写真、メニューでそれをアピールする事はとても重要だ。

 

 試作とともに、しばらくは食べ歩きをして、自分のやりたい店の形を模索したいと思う。

そういう訳でしばらくはこのブログもお休みです。

 

進展があればまた。