エレンオルンのカレー屋開業顛末記&カレー漫画レビュー

漫画とカレー好きが高じてカレー漫画を読んでるうちにまとめたくなりました

カレー屋開業計画顛末記⑥ 資格取得 カレー伝道師およびカレーエキスパート

 カレー関連の資格を調べてみた結果、実技はまた学ぶとして座学をとりあえず受講することにした。それほど単価が高くなく、肩書としてハッタリが効きそうなところで、カレーエキスパート、カレーマイスター、スパイス&ハーブ検定を取ろうと思う。

 

 マイスター、スパイス&ハーブ検定は秋口に募集があるようなのでカレー大学総合学部をまず受講してみた。

 

 総合学部はWEB受講の場合、6時間半の動画を100ページのテキストを使用して視聴していく。視聴期間は1週間。視聴後に択一試験あり。試験合格でカレー伝道師認定となる。

 内容はカレーの定義、歴史、背景、流行など主に知識的なもの。倍速で視聴可能だが主催の滑舌がそれほど良くないので、倍速の場合かなり聞き取りにくい。

 

 総合学部はカレーの基礎知識メインなので、カレー蘊蓄本を読めばある程度入ってくる知識と、カレー食べ歩きとかしていたら知っている知識が多く、かなりコストは悪い。それこそ主催の井上さんの本とカレー機構のHPを読んだら8割は得られる知識だったりする。また、通学の場合は違うのだろうがWEB受講の場合、おそらく立ち上げ時に録画した動画を見ることになるためだいぶ知識が古い。2014年創立なのでおそらく10年前の知識ベース。
 話の内容聞く限りスープカレーがまだ一般的じゃないくらい頃の話だ。
毎年講義してるならアップデートして欲しい。

 

 内容自体は六部構成。
 一部はカレーの定義、語源、スパイスの定義、成り立ち、ベースとなるスパイス、役割、カレーの種類あたり。まあ押さえるべきところは押さえておかないという内容。

 二部はカレーの歴史、誕生、流通、日本への伝来、カレーの記録、最古のレシピ、カレーが国民食となった経緯、カレー粉、カレールー、レトルトの誕生日、専門店の増加、カレーテーマパークについて。

 

 三部は日本人のカレー消費数、カレーの消費の多い都市、カレー点の多い都市、カレーのトレンド、街おこし、ご当地カレー


 四部さカレールーの歴史、ルーの特徴、代表的な各メーカーの商品、価格帯、カレー関連書籍について。


 五部は北インドカレー、南インドカレー、欧風カレーの具体的な作り方、隠し味について。

 

 六部は食べ歩きの時に何を記録するのか、どういう店に行くのか、己の嗜好は何カレーなのかを知る事。

と言った内容。

 

 ベースの調理法なんかに関してはいつくかレシピを作ってみれば大体わかる内容なので……。
ほんとに基礎的な知識と雑学を知るための講座といった感触。(そしてそれくらいの知識であれば本とネットと少々の実践で何とかなる範囲)

 ただ、カレーはラーメンなどと違い「不味い」事はほとんどないため、ある程度のクオリティが担保されているので、採点は食べる人の嗜好による所が多いという知見や食べ歩きは体調や気候でも変わるので詳細にメモをしておくことという点など参考になる点もあった。

 専門コースになればもう少し実務的な内容に沿うのだろうけど、専門コース前に総合学部が受講必須なので、カレー屋をやりたい人におすすめできるかと言われると微妙なところ。どっちかというとカレーマニアとか、カレー好きが高じて職業にしたような人が知識を固めるために受けるような内容になる。

 

 とりあえずカレー伝道師を取得したわけだが、座学の知識面だけの講義に11万払ってカレーエキスパートまで取るのは ちょっと躊躇する。ここは保留して他の受講期間がくるのを待つかと思っていたが、年始よりセールがあり、専門学科を格安で受講できる事になったので、専門学科のカレーメニュー創造学科を受講してみた。

 

 こちらは学長が商社出身だけあって、商品(メニュー)開発とマーケティングをしっかりやりなさいというお話。繁盛店の事例と、ターゲッティング、プロのメニュー開発工程のやり方あたりを教えてくれる。マーケティングコンサルティングが主な内容だ。こちらは、まあ実店舗でコンサルタントを頼むよりは安いだろうし、飲食見てるとナチュラルにできてる店舗(人)もいるけど無頓着な人も多いので、料理は好きだけど宣伝とか商品アピールとか全然わからないみたいな層にはとてもいい講座だと思う。反面今のネット社会だと講義の7割がたは、やる気がある人は調べればわかる内容になってしまうので、万人におすすめかと言われると微妙な点もある。企業で働いて脱サラして飲食みたいなパターンだとご存知みたいな内容になるかもしれない。(脱サラして飲食パターンでの失敗例多いので一概には言えないが)

高校→調理師学校→飲食店勤務→独立みたいなコースだと、マーケティングやらに触れる機会が少ないのでいいのかなあ……という気もする。

 

 とりあえずメニュー開発方法と、売れる商品を作るための考えは参考になった。まあこの辺の話はターゲッティング、ブランディング、ネーミング、ストーリー付与あたりに収束する。料理の腕は悪くないのにいまいちブレイクしないとかそういう悩み方をしてる人にはおすすめする。ただ、調理法などを教えてくれるわけではないので、その辺りは前項の料理教室の方に頼ることになる。

 

 カレー大学はあくまで、コンセプトと売り方を教えてくれる場所という事で、この辺りはカレーマイスターや、スパイスソムリエなんかとは違う点だ。

 

では、次からいよいよメニュー開発に行こう。