エレンオルンのカレー屋開業顛末記&カレー漫画レビュー

漫画とカレー好きが高じてカレー漫画を読んでるうちにまとめたくなりました

第三回 クッキングパパはカレー回がありすぎる

クッキングパパ うえやまとち 1985年

 

 第3回は最も巻数の多い料理漫画、クッキングパパ。こちらはバトルの味平、蘊蓄の美味しんぼと違い、実際に作れる、いわゆるレシピ系料理漫画です。

 

 家庭で実際に作れる料理が採用されるため、カレーの出番は多く、166巻の中で実に50レシピ以上の登場を誇ります。つまり、3巻に一回はカレーが出てくることに。

 

以下クッパパのカレー回

1巻 まるごと•ザ•カレー

5巻 カレー焼きうどん

17巻 カレーパン

18巻 ドライカレー

19巻 どすこいカレー 炊き込みカレー 大漁カレー

27巻 カレービーフ

32巻 グリーンカレー カツカレー丼 ミソカレー

37巻 枝豆カレー

41巻 フィッシュヘッドカレー ケーン•ペット

45巻 無水カレー

52巻 納豆カレー

64巻 鯨のカレー

66巻 ほうれん草カレー

69巻 ビーフカレー ガンボカレー

74巻 おつまみカレー

79巻 カレーうどん

84巻 ひとりもんカレー

88巻 ラムカレー

95巻 スープカレー

102巻 カスカレー

105巻 カツオカレー チューカレー

110巻 モツ鍋カレー

115巻 タバスコカレー タジンカレー フルーツカレー

117巻 焼きカレー

118巻 たけのこのゴロゴロカレー

119巻 ゴーヤーカレー

120巻 牛すじカレー

122巻 プーパッポンカリー

124巻 スープカレーちゃんぽん

125巻 スープカレーおでん カレールーのカレーチャーハン

130巻 スノーホワイトカレー

135巻 大根カレー

138巻 フ•カレー

141巻 オールカレー

150巻 無水キーマカレー エッグキーマカレー

152巻 カレートースト

156巻 ビリヤニ

159巻 レトルトカレーアレンジレシピ

162巻 豚バラ軟骨カレー

166巻 麻婆カレー

 

 多すぎて全部は取り上げられませんが、初期は家庭で作れるコンセプトだったのでカレー粉や市販のルウのレシピなのですが60巻くらいからスパイスも流通してきたのかスパイスのレシピも入ってきます。

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1巻のレシピ

家庭でのこだわりカレーという体で、スープを取ってカレーを作り、コクを出すためにヨーグルト、生クリーム、ワイン、ケチャップ、しょうゆなどを使うところがポイント。

 

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41巻本格タイカレー回、まあこの回はタイのレッドカレーを再現ということでスパイスから作製だったのかもしれないです。

 

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162巻 豚バラ軟骨カレー

最新刊近くになってくると、追加でスパイスというレシピになってきています。もうスーパーに普通に置いてますもんね。

 

 このように、あくまで家庭で作れる範囲は超えておらず、この辺は作者の上山先生が実際に作って食べてからレシピを書いているという事が大きいと思います。連載期間が長いだけあってカレーの流行りも反映されており、グリーンカレー、無水カレー、キーマカレースープカレー焼きカレー、プーパッポンカリー、ホワイトカレーから最近のビリヤニまで一通り話題になったカレーは出てくるところは流石です。

 

 作者自身が、「事件なんかなくても、おいしいものを食べて少し幸せになって、おしまい。それでいいじゃない」という通り、基本的に料理対決とかコンテスト、慢心した料理人を諌めるとか、取引先を怒らせてしまい料理で挽回とか、潰れそうお店の為に新レシピを開発するというような料理漫画の定番パターンはなく、仕事でちょっと疲れたから美味しいもの食べてよかったね、というお話にレシピつけるという展開で固定されています。その為食事シーンも衝撃的なうまさ!とかではなく家庭料理うめー!という類のリアクションです。

 

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 流石に160巻も続けば、主人公の子供は小学2年生から大学を卒業、就職、そろそろ結婚かという段階で、各人の人間模様を垣間見ながらうまそうな飯シーンをながめるのが楽しみの一つになっています。形態としては、「昨日何食べた」や、レシピは無いまでも、ほっこりご飯と人間ドラマという点では「舞妓さんのまかないさん」あたりがフォロワーと言えそうです。

 

 ちなみにここで紹介したカレー回の前半をまとめたクッキングパパカレー編や、レシピ集も発売されており、レシピ漫画の金字塔として確固とした地位を確立しています。

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