エレンオルンのカレー屋開業顛末記&カレー漫画レビュー

漫画とカレー好きが高じてカレー漫画を読んでるうちにまとめたくなりました

第4回 スーパー食いしん坊のスーパーカレー

スーパー食いしん坊 原作 牛次郎 漫画 ビッグ錠 1982年

 

 第4回は味平コンビによるスーパー食いしん坊。もはや作品を読んだことがある人よりネットミームとして知っている人の方が確実に多い漫画です。

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襲いくるネットミーム

 

 

 タイトル通りスーパー系料理漫画で、「孤独のグルメ」、「舞妓さんのまかないさん」が雰囲気系リアル料理漫画、「きのう何食べた」「クッキングパパ」がレシピ系リアル料理漫画とすると、バトル系スーパー料理漫画がギリギリ料理を作ることが可能な「ミスター味っ子」「私立味狩り学園」、料理自体の作成が困難な「鉄鍋のジャン」、「中華一番」あたり。

 その中でも調理方法自体が常軌を逸しているスーパー系の最右翼が「スーパー食いしん坊」と「グルマンくん」です。

 

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スーパー食いしん坊名物

衛生観念のない調理法

ハープでイカを切断

 

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同じく車のホイールで調理

え? 調理師免許?

 

 また、料理人が腕自慢、料理自慢をする→主人公が煽る→「じゃあ手前は作れるんだな!」→「できらぁ!」がパターンとなっており、展開の速さも特徴です。

 

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物凄いスピード感

 

 スーパー食いしん坊は全9巻のうち3回カレー回があるのですが、一つは変わり種の具を使った珍味餃子対決回。

凍らせたカレーを餃子の皮で包みます。

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結構普通! いや、これ絶対皮破れて中身溶け出さない?

 

もう一つは海で作るタワーリングカレー回

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 円柱の入れ物に米をいれ、中央にくり抜いた竹を埋めてそこにカレーを注ぎ、竹を引き抜けば完成! 人数分上から切ってバナナの皮に乗せて、渡せば配膳も簡単でオシャレ!

 

 ………

 無理があるだろ! 

 米にカレーが染み込むだろ!

 包丁でタワーん切ったら下からカレーがこぼれるだろ!

などと瞬時に沸く疑問はものともせずスーパー食いしん坊は傲慢なホテルのレストランをやり込めます。

 

 お気づきの通り、ここまでカレーの調理自体には一切触れません。カレーはもうスタート段階で完成しているのだ……。

 

 最後にスパイスカレーの名店デリーとの対決回。

ここは王道のスパイスを使いこなす名店に対し、スパイスを使いこなせないスーパー食いしん坊はクミンとターメリックと赤唐辛子と塩という最小限のスパイスと、野菜から出る水分で作る無水カレーにパイナップルの甘味で辛さを引き立て、酵素で肉を柔らかくするという手法で戦います。

あれ、これミスター味っ子とほぼ同じ流れな気がする……。

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味平、初期クッキングパパに続き、市販のカレー粉を具材の工夫やスープの工夫で補うカレー作りが続きます。

まあ、スーパー食いしん坊は美味い料理を作るより、不可能に見える調理をどう行うか(短時間で作る、大人数分作るなど)がポイントだったりしますので、美味そう感は薄いです。