第6回は、登場はするものの扱いの小さい漫画をまとめて紹介。
極道めしは、ドラマ化もされた「刑務所の中で互いにうまいものの話をして相手の喉を鳴らしたら勝ち」という一風変わった料理漫画。未知の味ではなく既知の味に対する共感という、読者と作中の聴衆がリンクする上手い作り。このコンセプト考えた土山先生はマジで天才だと思います。
共感を得る為B級グルメの出番が多くなることと、郷愁、家庭の味がキーになることが多い為、出てくる料理もオムライス、ラーメン、カツ丼、焼きそば、お好み焼き、おにぎりやおはぎなどから、卵かけご飯に漬物飯、インスタントラーメンなど日常メシや通常のグルメ漫画にはまず出てこない品目が登場します。
で、家庭の味といえばカレーだろって思うんですが、極道めしには、カレー回が存在せず(ラーメンは4、5回ある)、カレーラーメン回だけが存在します。
でも、カレーラーメンってあんまり食べないし共感あんまりできないんですよね。なんでじゃがいもが煮崩れた2日目の家庭のカレー回やらなかったのかなあ……。
カレーラーメン回。2ページしかない
舞妓さんちのまかないさん 小山愛子 2017年
現在四大少年誌唯一のグルメ漫画。2019年小学館漫画賞受賞。アニメ化、ドラマ化もされた。
料理勝負やお悩み解決を行わず、レシピを出すわけでもなく、舞妓さんの生活と主人公達3人の青春と友情を、癒しやストレス解消、元気の源としての料理を絡めて描きます。レシピのないクッキングパパというか、悪役がおらず、諍いもさしてなく、こういう雰囲気いいよねって差し出される互いのことをわかり合った少年少女。これが令和の料理漫画。
作品のスタンスから一食が大きく取り上げられること自体がないんですが、舞妓さんはホームシックになるという理由でまかないでのカレーが禁止らしく、ほとんど出てこないです。
出てきたのは多分2回、賄いのキヨちゃんが休みの日に普段食べられないカレーを作って食べる日。休暇で故郷に帰ったキヨちゃんとスミレがカレー南蛮を食べる回。
どちらも楽しみにしているのが伝わります。
普通に素朴なカレー。
ドラマがシーズン10まで放映され、テレビスペシャルが年末の風物詩になっている超人気ドラマの原作。その頃のグルメブームに辟易していた原作者の久住が「孤独にグルメを楽しんでいる漫画」という方向性で描いた。
基本的に主人公の井之頭五郎が腹を減らして、どこにでもあるような店で食事をするというだけの話。
うん、これこれ。って普通の定番のカレー丼を食べる。そんな作品なので蘊蓄もリアクションもないです。
神宮球場で野球の応援しながらカレー食べた感想がコレ。気持ちはわかる。